10.21.2012

日本そしてメキシコ



*日本へ戻る


風砂子:

わたしたちが出た日本… わたしは4年前に出て、イサムは6年前に出たのよね。
その日本とわたしたちが帰った日本はもう全然別世界でさ。
だって60年安保の後、高度経済成長でぱーんと行きだして。

その頃日本でも、フーテンとか、そういう人たちも出始めてて。
イサムがそういう人たちに向かって「旅に出ろ!こんな日本の経済成長の世界にいるな!」とか言ってね。すごいアジりまくったわけ。その60年代安保闘争の同士達にもね。

わたしの妹が芸大のイサムと同じクラスの彫刻家の人と結婚してたわけ。
その妹の旦那さんがイサムにアジられて旅に出たのよ。イサムももちろんその後出たの。

そのときわたしたちはチベットのタンカ集をある建築会社の人が買ってくれて、そのうちのわたし達には想像もできないような結構なお金をチベット人の人がくれたから、それがあるうちに旅に出ようって、イサムだけ行っちゃって。
わたしはケシを妊娠中だったから。
で、一年経ったらメキシコで会おうって。(笑)

うちにしょっちゅう遊びにきてた男がメキシコに行きたいっていうから、じゃあ一緒に子供手伝いしながら、旅費を払うから一緒に行ってって。わたしもとにかく、そのお金がなくなる前にとにかく日本を出たいと思って。もうイサムが帰ってくるなんて絶対ないしね。
だから日本を出たいと思って。それでメキシコで会ったわけ。

そしたらまたイサムがね、メキシコでお土産に一ドルずつ、子供達に一ドル札を一枚ずつお土産だって。(笑)
で、わたしにはLSDをお土産だって。(笑)

全然わたしはね、自分の人生ってほんとに自分の意志じゃないと思うんだよね。
自分の意志というより、なんかね、もう即興劇だよね。

ーなんかおっきな流れに流されているというかー

そう、流されて、ほんとに
で、その中でいろいろ数奇な出会いがあって、ミノとの出会いもそうだしね。

これはまた次の章なんだけどさ。(笑)

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