風砂子:
(三池)炭坑(闘争に参加するため)に行く途中、京都に寄ってね、結婚したの、イサムとね。
結婚と言っても、家族と友達を一人二人呼んでね、京都ホテルの食事を一緒にするっていう結婚式だったのね。
でもそのとき市役所から結婚届をもらってきて、それでサインしてね。
でも次の日にホテルから「結婚申告書が忘れてありますって。」
それで、もうどうしようもないから京都に帰って、イサムの実家にね、でお医者さんに行ったら「妊娠です」って言われたの。
だけど、東京でも一緒に安保闘争をやった仲間が反省会をやってね。
わたしたちのグループももちろんやったのね。
そのときにイサムがわたしを紹介したのはね、
「風砂子は本とか全然読まないし、趣味とかなんかはわからなくても、すごく感性的に革命を理解している。」とわたしを紹介したの。そのグループに。
オルグっていって、共産党の本部から指導にくる人がいて。
で、その指導にきていた人が、今から思えば彼だってまだ30前後だったよね、でもすごくやさしい、素晴らしい人でね、
わたしは彼に対する信頼感があったから、入党ってもの悪くないなと思って。
わたしの兄だって入党してたしね。
で、共産党細胞でもいろんな反省会があって。みんな言葉が途切れるし、失望的だったのよね。
ちょうどその頃にさんちゃんっていう共産党のオルグの人が、いつもオートバイに乗ってくる人がオートバイをぶつけてね、死んじゃったわけ。
それが事故だったのか、故意だったのか、永遠にわからない。奥さんもいたんだけどね。
わたしにとってはそれがほんとに安保の結末だったんだよね。っていう感じがした。
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