9.29.2012

ムーンバスケットを始める




風砂子:

日本から帰ってきて、わたし達家を借りたのね。
その時初めて独立した一軒家。 
やっぱり娘たちももう大きくなっているし。
前に三階の家に住んでいた時は、下の子二人はサイドのクローゼットみたいなところに寝たりして。
もうそれも出来ないから、家を借りたのね。

ミノはね、バークレーに移ってからすぐ「ドルフィンウッドワーク」っていう仕事を他の人と始めてね。
それでまぁ、もう一人の人がわたし達が日本にいるときにもその仕事を続けていたから、すぐにちょっとした仕事が入って。
わたしも何かしなきゃいけないから、なにやろうかな〜と思ってて、また思い出したのがメイ。
ちょっとメイに電話してみようと思ってさ。
メイに電話すれば鯨の芝居もhappenだしね。
メイは打ち出の小槌だ、とか思ってさ。
で、電話して。

わたしはその頃、縫い物とか全部自分で手でしてて。
だからすぐ出来るものっていったらそういうものかなぁと思って。
でも自分一人でやるより、わたしは何でもほら、グループでやりたいから、
メイに電話しようと思って、で、メイのところに行って。
「ねぇメイこういうのやりたいと思うけど、どう?やらない?」って言ったら「うん、いいねー」って言って。

彼女はしばらくゲーリースナイダーのところに移ってたりして、その時にね、松葉で作る籠の作り方をね、
その辺にいるインディアンの人から習ったんだって。
「ああそれいいじゃない」って言ってさ。
それだけじゃなくね、息子のゲンちゃんの友達のお母さんが陶芸家なのね。
その人も紹介してくれて。
あ、じゃあやろうやろう、っていうことで。
女性のグループを作って。
その名前が「ムーンバスケット」だったのね。
女性とクラフトを象徴する言葉でね。

ちょうどその頃に、福岡正信さんって知ってる? 自然農法の。
彼の本を、「わら一本の革命」っていうのを、英語にしてベストセラーになってたの。
それを訳したラリーコーンって人から、ナナオから聞いたって連絡が来て。

福岡正信さんをね、カリフォルニアにあるマクロビオティックをやっている夫婦がいて。
その二人がサマーキャンプにね、福岡正信さんを招いて講演してもらいたいからね、
その通訳をわたしにしてくれないかって頼みに来たわけよ。

わたしも「わら一本の革命」を読んで、すごい感動してたから。
あんな素晴らしい本を書いてくれた人のね、お手伝いならさせてくださいって言って、それを引き受けたのね。 ボランティアで。



福岡正信

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